「企業評価システム実践研究会」コラムのコーナーにお越しくださり、ありがとうございます!
今月から始まりました、このコラム。初回はペンネーム/オージー(おじいではない)が担当します!
中小企業の社長さんとお話しすると、こんな会話になることはないでしょうか。
私 「社長、御社の『強み』って何ですか?」
社長「…特にないよ、そんなの」
どストレートに訊く私も私なのですが、補助金の申請や経営革新計画の策定などに際して、自社の「強み」を書くことが増えています。
でも、ローカルベンチマークでも経営革新計画でも特段「これ!」といった記載例は有りません。
上記の会話は極端ですが、中小企業の社長さんは、自社の「強み」について堂々と仰ることが少ないような。何となく大別すると、以下の3パターンになるように思います。
①「強み」を分かってはいるが、声に出すのが恥ずかしい
②「強み」だと思っていることが、他社と差異化出来得るものなのか、自信がない
③「強み」について、ほんとうに認識していない(考えたことがない)
それでも、「強み」を訊きたいとき、申請書に皆さんは、どうしていますか?
私が勤め先の上司や先輩から聞いて「自分も、そう訊こう」と決めた訊き方は、
「御社は、どんなところを元請さん(販売先さん)から評価されて、仕事をもらえている(製品を買ってくれている)と思いますか?」
「他のライバル会社と、何処が違うと思いますか?」
です。そう訊くと、いまの処必ず回答を頂けています。その答えをしつこくならない程度に(社長さんがご立腹されない(苦笑)程度に)掘り下げて行きます。
よく「なぜ?を5回」とかって言いますよね。「どうやって?」「なぜ?」「どんな?」といった感じで。
たとえば製造業の場合、
「納期の●日前に必ず納品していることが評価されてるみたいね」
→それはどうやって?
「製造の工程を事前に検討しているから」
→それはどうやって?
「納入先と普段からお互いにいろいろ相談しているから」……
強みは、取引先のニーズを聞き出す情報収集力と、準備を確り行って規格・納期通り製造出来る技術力と言えそうです。
ただ一方で、強みを持っているのに、自社ではなかなか気づいていないことが多いです。
「他社もやっていることでしょ」「そんなの当り前でしょ」謙遜ではなく、そう仰る社長さんも少なくありません。
他社との比較が出来るのは、いろいろな事業者さんに接して情報を得ている診断士ならでは。業界にもよるでしょうが、同業社間で技術や情報を教え合うことはあまりないようです。社長さんも、意外と自社の強みが分かっていないものです。
そして、もちろん業界や数字について、あなたが全てを知っている必要はありません。実務補習や研究会の仲間に訊いてみるのが手っ取り早いし、親身になって教えてくれるものです。そして、あなたが他の診断士仲間の役に立つことも、きっと有るはずです。
中小企業の強みはもちろん、あなた自身の強みも一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。次回も、お楽しみに!